茶道具賞玩『椿 鈴木其一画 讃 大徳寺 大網』 2023-03-01 UP


写真:古角商店 古角博治さん



古角商店 古角博治さん(以下、古角):絵は鈴木其一。ご存じの通り、江戸時代後期の絵師で江戸琳派の酒井抱一の弟子で後継者です。

那須屋 野口明嗣さん(以下、野口):椿に何の絵ですか?

壽泉堂 樫本昌大さん(以下、樫本):建水…?

古角:絵は椿の一枝に鉄鉢が描かれています。紙本淡彩です。讃は大徳寺435世の大網宗彦です。

齋藤紫紅洞 齋藤琢磨さん(以下、齋藤):述懐とはどのような意味でしょうか?

古角:讃のタイトルの述懐とは、心に思ったことを述べると言う事です。読みは「我からのう現世(うつつよ)なりけり何事も すべきは長く安き心を」と書いてあります。何かと気ぜわしい現代に、長く安き心をと諭されて居ます。



河善 河合知己さん(以下、河合):椿の花が咲いている絵なので、恐らく4月の最後の名残を表していると思います。咲いた椿を鉄鉢に沢山活けることがあるようです。遠州流の家元がやっているのを見たことがあります。

古角:普通は咲ききった椿は使わないけど、春の名残の花としてそういった事をするのは面白いですね。



齋藤:江戸千家の川上宗雪家元も水盤に桜の花を浮かべたり、椿を浮かべたり、蓮弁を浮かべたりされています。

古角:茶の湯の世界では、普通の人がやらないような事をすることもあるし、それを真似することもあります。でも、似て非なる者になるといけないですね(笑)

銀座美術 森田大揮さん:名残を惜しむ心を大切にする事を表した掛軸。名残なので使い方で色々な時期に使えますし、寄付掛けとして良いですね。

古角: 商品についての詳細は下記URLをご覧ください。また、ご質問などあればお気軽にお問合せください。

 ▼椿 鈴木其一画 讃 大徳寺 大網
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