館蔵
茶道具取合せ展 2023年12月13日(水)~2024年2月12日(月・振) 五島美術館
■概要 展示室に当館の茶室(古経楼・松寿庵・冨士見亭)の床の間の原寸模型をしつらえ、館蔵の茶道具のなかから名品を選び取合せて展示します。今回は、織田信長(1534~82)を中心とした武将や大名ゆかりの茶道具のほか懐石道具など約70点を展観します(会期中一部展示替あり)。また、特集展示として棗・香合や懐石道具などの茶の湯の漆芸を同時公開します。 ◆休館日=毎月曜日(1月8日・2月12日は開館)、 12月25日[月]―1月4日[木]、1月9日[火] ◆開館時間=午前10時―午後5時(但し、入館は午後4時30分まで) ◆入館料=一般1100円/高・大学生800円/中学生以下無料 ◆交通=東急大井町線〈各駅停車〉「上野毛駅」(かみのげ)下車徒歩5分 ■展示品のご紹介 ◎重要美術品 唐物文琳茶入 銘 本能寺 陶器/一口 南宋時代・13世紀 五島美術館蔵 茶入とは濃茶を入れる陶製の小壺。これに象牙の蓋をし、仕覆という袋に入れて飾り、茶席で用います。唐物とは中国産を意味し、文琳とは、りんごの形をした茶入のことです。「本能寺」は、織田信長(1534~82)が、京都本能寺に寄進したことからついた銘です。越前の戦国大名朝倉義景(1533~73)が所持したことから「朝倉文琳」という別銘もあります。松平不昧(1751~1818)が所持し、不昧が編集・出版したという『古今名物類聚』の記載と同じ仕覆や包物が今も茶入とともに残っています。 ◎井戸茶碗 銘 九重 陶器/一口 朝鮮時代・16世紀 五島美術館蔵 井戸茶碗は高麗茶碗(朝鮮産の茶碗)の一種です。侘茶の茶碗のなかで最も高い評価を得ています。「九重」は、細かい貫入(釉面に現われるひびわれ)がある枇杷色の釉薬が掛かり、見込みには目跡がありません。胴には焼成中にほかのやきものなどが表面についた「ひっつき」の跡があります。武家茶道の鎮信流で知ら肥前平戸藩主であった松浦家に伝わった茶碗です。 ◎芦屋真形霰地紋釜 鉄器/一合 室町時代・15世紀 五島美術館蔵 芦屋釜は現在の福岡県芦屋町で作られました。他の釜の霰とくらべ、頭が丸く大きな霰が全面に整然と並び、地紋となっています。真形というのは自然な形という意味で、胴の上部に鐶付という耳が付き、本来は中間に錣羽根という火に懸けるための羽根があります。本品は、永年の使用から底が痛み、下半分を失ったため、新しく小さめな底をはめ込んでおり、その際に打ち欠いて不規則になった胴の裾をそのまま残した様子を尾垂といいます。千利休(1522~91)が愛用したという伝承があります。 ◎亀甲蒔絵棗 漆器/一合 室町時代・16世紀 五島美術館蔵 棗とは抹茶を入れるための器で、茶の湯における主要な道具の一つ。本作は幅広く肩が張り、安定感のある堂々とした姿をしています。金平目粉を蒔いた地に薄肉高蒔絵で花菱亀甲文を数個繋げて散らしており、漆黒の肌に金の重厚な輝きが魅力です。亀甲文は平面的に繋がるばかりでなく、一部重なり合うなど変化のあるデザイン。付属する仕覆の箱蓋裏に表千家九代了々斎宗左(1775~1825)の書付「蒔繪棗/紹鷗所持之内/了々斎(花押)」があり、本作を武野紹鷗(1502~55)所持としています。本作のような器形は紹鷗好みとされており、また製作時期から見ても紹鷗所持の伝来と矛盾しません。伝世の蒔絵棗としては最古の遺品。
■ギャラリートーク等イベントの開催につきましては、当館ホームページにてお知らせします。 ■展示予定・作品名称は都合により変更となる場合がございます。 ■会期中一部展示替があります。また、当館には常設展示はございません。 ■館内整備のため休館=2024年2月13日[火]―19日[月] ■次回展示=館蔵 中国の陶芸展 2024年2月20日[火]―3月31日[日] ■公益財団法人 五島美術館 〒158-8510 東京都世田谷区上野毛3-9-25 TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)/03-3703-0661(テープ案内) ■五島美術館ホームページ=https://www.gotoh-museum.or.jp/