[館蔵]春の優品展 吉祥の美 2022-03-14 UP

[館蔵]春の優品展 吉祥の美

2022年4月2日(土)~2022年5月8日(日)


■概要五島美術館と⼤東急記念⽂庫の収蔵品から、絵画や書跡をはじめ陶磁器・漆⼯などの⼯芸作品より「吉祥」にかかわる作品を選び展観。五
島美術館の創⽴者・五島慶太(ごとうけいた 1882〜1959)の⽣誕140年を祝い、慶太翁蒐集の古筆・歌仙絵を中⼼に優品約50点を紹介します(会期中⼀部展⽰替あり)。

特別展⽰予定=国宝「源⽒物語絵巻 鈴⾍⼀・鈴⾍⼆・⼣霧・御法」4⽉29⽇[⾦・祝]―5⽉8⽇[⽇]

■開館時間=午前10時―午後5時(但し、入館は午後4時30分まで) 
■⼀般1000円/⾼・⼤学⽣700円/中学⽣以下無料
■休館⽇=毎⽉曜⽇
■交通=東急大井町線〈各駅停車〉「上野毛駅」(かみのげ)下車徒歩5分

■主な展示予定品(都合により会期中一部展示替えをすることがあります)
・重要文化財 継色紙 伝 小野道風筆  平安時代・10~ 11世紀 五島美術館蔵
・重要文化財 高野切古今集(第一種) 伝 紀貫之筆 平安時代・11世紀 五島美術館蔵
・重要文化財 寸松庵色紙 伝 紀貫之筆 平安時代・11世紀 五島美術館蔵
・重要美術品 栂尾切(桂本万葉集) 伝 源順筆 平安時代・11世紀 五島美術館蔵
・太田切 伝 藤原公任筆 平安時代・11世紀 五島美術館蔵
・端白切 伝 大弐三位筆 平安時代・11世紀 五島美術館蔵
・重要文化財 蓬萊切 伝 藤原行成筆 平安時代・11世紀 五島美術館蔵
・石山切(伊勢集) 平安時代・天永三年(1112)頃 五島美術館蔵
・重要美術品 東大寺切(三宝絵詞) 伝 源俊頼筆 平安時代・保安元年(1120) 五島美術館蔵
・堺色紙 伝 藤原公任筆 平安時代・12世紀 五島美術館蔵
・下絵古今集切 伝 藤原定頼筆 平安時代・12世紀 五島美術館蔵
・重要美術品 唐紙和漢朗詠集切 伝 藤原公任筆 平安時代・12世紀 五島美術館蔵
・松籟切 伝 藤原行成筆 平安時代・12世紀 五島美術館蔵
・重要文化財 上畳本三十六歌仙絵 紀貫之像 鎌倉時代・13世紀 五島美術館蔵
・布袋図 愚中周及筆 見心来復賛 室町時代・14世紀 五島美術館蔵
・蘭竹図 伝 鉄舟徳済筆 室町時代・15世紀 五島美術館蔵
・梅画賛 一休宗純筆 室町時代・康正二年(1456)賛 五島美術館蔵
・「布袋和尚」一行書 雪村周継筆 室町時代・16世紀 五島美術館蔵
・業平東下り図(伊勢物語富士山図) 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀 五島美術館蔵
・十竹斎箋譜初集 明時代・崇禎十七年(1644) 大東急記念文庫蔵
・芥子園画伝 清時代・17~ 18世紀 大東急記念文庫蔵
・松鶴文蒔絵硯箱 室町時代・15世紀 五島美術館蔵
・松竹蒔絵手箱 室町時代・15世紀 五島美術館蔵
・亀甲蒔絵棗 室町時代・16世紀 五島美術館蔵
・重要文化財 鼠志野茶碗 銘 峯紅葉 桃山時代・16〜17世紀 五島美術館蔵
・黒釉金彩文字天目 南宋時代・12〜13世紀 五島美術館蔵
・重要美術品 五彩寿字花鳥文瓢形瓶(金襴手) 景徳鎮窯 明時代・16世紀 五島美術館蔵
・重要美術品 五彩人物文水注(金襴手) 景徳鎮窯 明時代・16世紀 五島美術館蔵
・青花蜜柑形水指(祥瑞) 景徳鎮窯 明時代・17世紀 五島美術館蔵
・青貝布袋香合 明時代・16〜17世紀 五島美術館蔵
・青磁桃型合子(青磁桃香合) 龍泉窯 明〜清時代・17〜18世紀 五島美術館蔵
・熊川茶碗 銘 千歳 朝鮮時代・17世紀 五島美術館蔵
・有虞十二章墨 呉申伯作 明時代・16〜17世紀 五島美術館蔵
・三星図墨 方于魯作 明時代・16〜17世紀 五島美術館蔵
・端渓水巖匏瓠硯 清時代・17〜18世紀 五島美術館蔵
・印材 牛角凍(対) 清時代~中華民国・19~ 20世紀 五島美術館蔵
・乾隆描龍蠟箋 清時代・18~ 19世紀 五島美術館蔵
・重要美術品 方格銘四獣鏡 後漢時代・中平六年(189) 五島美術館蔵
・重要美術品 重列式神獣鏡 三国(呉)時代・永安四年(261) 五島美術館蔵
・重要文化財 [鍍金]細線式獣帯鏡(同型鏡) 六朝(宋)時代・5世紀 五島美術館蔵

■特別展示 *展示予定期間=4月29日[金・祝]―5月8日[日]
・国宝 源氏物語絵巻 鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法 平安時代・12世紀 五島美術館蔵

【今回の展覧会のおすすめ作品】
★重要文化財 蓬ほう萊らい切ぎれ 伝 藤原行成筆
紙本墨書/一幅 平安時代・11世紀 五島美術館蔵
長寿を象徴する鶴を主題とした和歌一首。「大空に群れた鶴もひとつの方向を指しながら飛んでゆく。さながら祝う心があるようだ」と鶴を擬人化して祝意をあらわしています。延喜13年(913)、藤原満みつ子こ
(874~ 937)の四し 十じゅうのが賀を藤原清きよ貫つら(867~ 930)が催した際の屏風歌(屏風絵の主題にあわせて詠んだ和歌)のひとつです。『拾しゅう遺い 和歌集』巻第五「賀がの歌うた」に収録されています。平安古筆のなかでは比較的大きく明快な筆致で、一文字の単体と連れん綿めん(文字を続けて書くこと)を交えています。料紙は藍の繊維を雲にみたてて漉き込んだ雲くも紙がみの上に雲き
母ら砂すな子ご を撒いています。肥前平戸藩主松浦家に伝来。昭和9年(1934)、巻子本が5枚に分割された際、松浦家江戸屋敷内の「蓬ほう萊らい園えん」にちなみ命名されました。

★布袋図 愚中周及筆 見心来復賛
紙本墨画・墨書/一幅 室町時代・14世紀 五島美術館蔵
布袋は中国五代(907~ 960)に活躍した実在の僧で、肥ふとった体に大きな袋と杖を常に持ちながら市中を歩いて回っていたと伝わり、近世の中国では弥勒の化身として信仰を集めました。日本では、福と財運とをもたらす七福神の一人として、円満な姿で現在でも親しまれています。布袋図を描いた愚中周及(1323~ 1409)は、元時代の中国へ留学し、のちに臨済宗愚中派の祖となった日本の禅僧です。また、詩文に優れた禅僧で、愚中と中国にて共に学んだという見心来復(1319~ 91)が賛を付しています。


★重要美術品 五彩寿字花鳥文瓢形瓶(金襴手 ) 景徳鎮窯
磁器/一口 明時代・16世紀 五島美術館蔵
瓢箪をかたどった大型の瓶。瓢箪は「葫こ
蘆ろ」ともいい、中国語では音が「福禄」と似ているため、おめでたいモチーフとして用いられます。下部に翠すい青せいしょく色の大きな「壽」字を配し、左右の窓の中には赤地に金彩で鹿などを描いています。鹿は中国語で「禄」と音が通じる吉祥文です。全体を横方向に区切る文様帯の白地部分には赤色で細かな七宝繋ぎ文などを描き込み、赤地の部分には金彩を施すなど、余白のない濃密な世界を生み出しています。胴裾部の蓮弁文や、赤や緑を主体とした色遣いなどが、やや古様を示しています。

★国宝 源氏 物語絵 巻 夕霧
紙本墨書/二面・紙本著色/一面 平安時代・12世紀 五島美術館蔵
*展示予定期間=4月29日[金・祝]―5月8日[日]
「源氏物語絵巻」は紫式部が著した『源氏物語』を絵画化した絵巻です。物語が成立してから百数十年後に誕生した現存する日本最古の絵巻とされています。図は『源氏物語』第39帖「夕霧」。秋の夜、夕霧(光源氏の子)が、落おち葉ばの宮みや(故柏かしわぎ木の妻)の母一いちじょうのみやすどころ条御息所からの手紙を読もうとしています。そこへ、その手紙を落葉宮から夕霧への恋文と誤解した雲くも居いの雁かり(夕霧の妻)が、嫉妬のあまり背後から忍び寄って奪い取ろうとする場面。硯すずりばこ箱、櫃ひつ、やまと絵山水図の屏びょう風ぶ など、当時の文房具や室内調度の様子がわかります。

■ギャラリートーク等イベントの開催につきましては、当館ホームページにてお知らせします。
■新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、入場および観覧に際し、制限・制約やご協力をお願いする場合がございます。
■会期・休館日・イベントの予定が、やむを得ず変更や中止となる場合もありますので、ご来館の前に当館ホームページ等で最新情報をご確認ください。
■会期中一部展示替があります。また、当館には常設展示はございません。
■展示替のため休館=2022年5月9日[月]―13日[金]
■次回展示=館蔵 近代の日本画展 2022年5月14日[土]―6月19日[日]
■公益財団法人 五島美術館 〒158-8510 東京都世田谷区上野毛3-9-25 TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)/03-3703-0661(テープ案内)
■五島美術館ホームページ=https://www.gotoh-museum.or.jp/

茶の美メールマガジン