特別展「国宝・燕子花図屏風 -光琳の生きた時代1658-1716-」 根津美術館 2023-04-09 UP

特別展
国宝・燕子花図屏風
―光琳の生きた時代1658-1716―

会期:2023年4月15日(土)~5月14日(日)
会場:根津美術館 展示室1・2


■概要

 尾形光琳(1658〜1716)といえば、町人が担い手となって花開いた元禄(1688〜1704)文化の立役者のイメージがあるでしょう。そして、そのイメージの中心に位置するのが、光琳40歳代半ばの代表作「燕子花図屏風」です。しかし、視点をより高い位置において見ると、その前半生は、宮廷や幕府によって主導された近世前期の文化芸術のただ中にあり、また後半生は、円山応挙や伊藤若冲など民間出身の個性派が活躍した18世紀後半の京都画壇を準備したと見ることもできます。
 この展覧会は、「燕子花図屏風」を中心に、光琳がこの世に生きた期間に制作された作品で構成するものです。始まりは、幕府御用絵師・狩野探幽の「両帝図屏風」(1661年)や、宮廷絵所への復帰を果たした土佐光起の「源氏物語図」など伝統的な画派の作品。また、江戸初期の上層町衆の美意識を伝える父・宗謙の和歌巻や、琳派の礎を築いた俵屋宗達の後継者である喜多川相説の清新な草花図を経て、光琳の金屏風の数々をご覧いただきます。さらに、弟・乾山の陶芸作品への絵付けを契機として光琳の弟子となり、写実性と装飾性を兼ね備えた画家・渡辺始興や、1714年に制作された、まるで室町時代の詩画軸のような作品(「物外和尚送別図」)などによって、この時期の美術が内包する様々な可能性をご紹介します。そして最後は、元禄年間の京都からのお伊勢参りの様子を描いた「伊勢参宮道中図屏風」を展示、時代の息吹を感じていただきます。
 約60年の美術の歴史を切り取って、その多彩で魅力的な様相をご覧に入れます。




国宝 燕子花図屏風
尾形光琳筆
日本・江戸時代 18世紀
根津美術館蔵

総金地に、高品質な絵具をふんだんに用いて描かれた燕子花の群生が、はつらつとした生気を放つ。左右隻の対照的な構図のバランスも素晴らしい。画家としてのスタートが遅かった光琳が到達した最初の芸術的頂点である。

■同時開催 展示室5
西田コレクション受贈記念II 唐物
当館顧問・西田宏子より陶磁器など工芸品169 件を受贈。その中の優品を3 回に分けてお披露目するシリーズの第2 回は、中国の陶磁器と漆器です。

青花人物文筆筒 
景徳鎮窯
中国・清時代 17 世紀
根津美術館蔵
西田宏子寄贈


柳の下で草を食む1 頭の驢馬と、その驢馬を見つめる人物が描かれた中国・景徳鎮窯の筆筒。ヨーロッパ向けの輸出品のうちでは精緻な筆致が珍しい優品。

■同時開催 展示室6
初夏の茶の湯

立夏(5 月6 日)を迎えると、暦のうえでは夏が始まります。初夏の清々しい気候に合わせ、軽やかな茶道具約20 件を取り合わせます。


砂張釣舟花入 銘 艜
東南アジア 15 世紀
根津美術館蔵

舟形の花入は、床の天井から鎖で吊るして飾ることから釣舟と称される。水が想起され、また風で揺れる様子が涼しげであることから、夏に好まれる。


■会期:2023年4月15日(土)~5月14日(日)
■休館日: 毎週月曜日 ただし5月1日(月)は開館
■開館時間: 午前10時~午後5時。ただし、5月9日(火)から5月14日(日)は午後7時まで開館。(入館はいずれも閉館30分前まで)
■入場料: オンライン日時指定予約・一般1500円/学生1200円
*障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料

▼▼詳細は、根津美術館ホームページへ▼▼
https://www.nezu-muse.or.jp


 

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