企画展 「魅惑の朝鮮陶磁」/特別企画「謎解き奥高麗茶碗」 根津美術館 2024-02-29 UP

企画展 「魅惑の朝鮮陶磁」/特別企画「謎解き奥高麗茶碗」
朝鮮陶磁から唐津へ
会期: 2月10日(土)~3月26日(火)


展示室1 企画展「魅惑の朝鮮陶磁」

■概要
 古くから日本の陶磁器に強い影響を与え、また日本人が愛好してきた朝鮮陶磁。本展覧会は、主に館蔵品によってその歴史を概観し、その魅力を見つめ直すものです。
 朝鮮半島と日本列島との交流は古く、旧石器時代(約2万数千年前)には始まっていたとされます。5世紀には朝鮮半島より陶質土器の技術が日本に入り須恵器が誕生、また16・17世紀には高麗茶碗が茶人たちの人気を集め、日本から注文されるようになります。磁器の焼成技術も、この頃に朝鮮半島の陶工が九州の唐津地方にもたらしたものでした。そして近代に入ると、日本の陶磁器愛好家たちは16〜18世紀の粉青と白磁に注目し、こぞって蒐集しました。もちろん、「翡色」と呼ばれる深い灰青色が優美な12世紀の高麗青磁も忘れてはなりません。
 美しさと清らかさ、そして質朴な強さを合わせ持つ朝鮮陶磁は、圧倒的な美を誇る中国の陶磁器とも、私たちの美意識が反映された日本の陶磁器とも異なる魅力を放っています。本展覧会で、魅惑的な朝鮮陶磁の世界に、あなたもひたってみませんか。


御本立鶴茶碗 朝鮮・朝鮮時代 17世紀 根津美術館蔵 

3代将軍・徳川家光が描いた鶴の絵を下絵とし、大名・小堀遠州が釜山窯に注文したと伝わる茶碗。左の釉薬の掛け残しを土坡とし、水辺に立つ鶴に見立てる。


展示室2 特別企画展「謎解き奥高麗茶碗」

■概要
 奥高麗茶碗は、九州肥前地方、現在の佐賀県唐津市周辺で焼かれた、朝鮮の高麗茶碗を写した茶碗です。
 奥高麗茶碗の名称は、江戸時代後期には茶会記などの資料に見られます。大名で茶人であった松平不昧の所蔵品目録『雲州蔵帳』には、今回展示される「深山路」と称される茶碗が記されています。昭和20年代に古唐津の研究が盛んになると、奥高麗茶碗も茶の湯の世界のみならず鑑賞の世界で高い賞玩を得るようになりました。しかし、なぜ奥高麗茶碗と称されたのか、どの窯でいつ頃焼かれたのか、さらに、どのような茶碗が「奥高麗」なのかなど、謎は多く、これまで様々に論じられてきました。
 展示室1の朝鮮陶磁や高麗茶碗の展示に続き、ここでは奥高麗の成立をその特徴から「唐津焼の茶の湯の茶碗」として提示することで解明を試みました。謎を解くことが出来たのか、ご覧いただければ幸甚です。


奥高麗茶碗 銘 二見 日本・桃山~江戸時代 16~17世紀 個人蔵

「瀬戸唐津」と箱書付のある茶碗であるが、高台内側の削り方は奥高麗の特徴を備えている。椀形で釉薬は高台際まで厚く施されている。腰下には梅花皮が現れている。


奥高麗茶碗 銘 福寿草 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

奥高麗の特徴的な姿で、高麗茶碗の熊川を想わせるゆったりとした大振りの茶碗である。二重に掛けられた釉の流れに梅花皮状が入る。


同時開催
ひな人形と百椿図/春の茶の湯 -釣り釜-


■展示室 5 ひな人形と百椿図

今回は「百椿図」を雛飾りと共にお楽しみいただきます。
3 月3 日は桃の節供とも呼ばれます。共に瑞祥木である桃と椿で春を祝います。

■展示室 6 春の茶の湯 -釣り釜-

暖かさが増す春は茶室の天井から釡をつるす「釣り釡」が好まれます。季節の茶道具約20 件の取り合わせで春の訪れをお楽しみください。


雲龍釜 京都 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵


■企画展 「魅惑の朝鮮陶磁」/特別企画「謎解き奥高麗茶碗」
■会期: 2月10日(土)~3月26日(火)
■休館日    毎週月曜日
■開館時間    午前10時~午後5時
■入場料    オンライン日時指定予約
一般1300円
学生1000円
*障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料
■会場    根津美術館 展示室1・2

▼▼詳細は、根津美術館ホームページへ▼▼
https://www.nezu-muse.or.jp

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