五島美術館「特別展 古裂賞玩 舶来染織がつむぐ物語」展覧会の概要 2024-10-11 UP

特別展
古裂賞玩 舶来染織がつむぐ物語
2024年10月22日(火)~2024年12月1日(日)
五島美術館

■概要
鎌倉時代から室町時代に舶来した金襴・緞子・間道などの上質な絹織物は、権力者の装いや唐物絵画、名物茶入を彩り、江戸時代には固有名称を付けて「名物裂」として鑑賞されるようになりました。それらは出版物にも掲載され、「名物裂」の小さな裂片を集めた「裂手鑑」も作られるほどでした。さらに「大燈金襴」「笹蔓緞子」「花兎緞子」など「名物裂」の文様意匠は様々な工芸品に取り入れられ、江戸時代の古裂ブームの一端を今日に伝えます。
江戸時代の元禄7年(1694)、現在のいわゆる美術百科事典『万宝全書』が世間に初めて「名物の金襴」や「名物の緞子」を紹介してから本年は330年を迎えます。これを記念し、本展では美麗な舶来織物を集めた大名家の「裂手鑑」をはじめ、名物茶入と「仕覆」、「名物裂」で表装された唐物絵画、豪商の「裂箪笥」、茶道具に付属する「古渡り更紗」などを展示し、世界に例を見ない日本の古裂鑑賞の文化とそれを創り出した舶来染織の影響を紹介します。

■展示品のご紹介
◎重要文化財 宗峰妙超墨跡 梅溪号 
鎌倉~南北朝時代・14世紀 [表具裂]明時代・15〜16世紀 五島美術館蔵

宗峰妙超(大燈国師 1282~1337)は鎌倉時代後期に活躍した禅僧。京都・大徳寺の開山として知られています。「梅溪」は宗峰が弟子の宗智道人に与えた道号です。本品は京都の酬恩庵(薪寺)に伝来していましたが、慶長20年(1615)、前田利常(1593〜1658)が大坂夏の陣の帰途に同庵に立ち寄り、米の寄進を約束して譲り受けたという逸話があります。利常を惹きつけた豪毅な書風も見どころです。表具裂の中廻し(周り)にある美しい花菱文の金羅は前田家伝来の古裂帖に共切が貼付されており、同家で表装替えをしたのかもしれません。


◎重要美術品 唐物文琳茶入 銘 本能寺 
南宋時代・13世紀 [仕覆]明時代・15〜17世紀 五島美術館蔵


 
◎重要美術品 井戸茶碗 銘 美濃
朝鮮時代・16世紀 [仕覆]サファヴィー朝ペルシア・17世紀 五島美術館蔵



◆休館日=毎月曜日(11月4日は開館)、11月5日[火] 
◆開館時間=午前10時―午後5時(但し、入館は午後4時30分まで)
◆入館料=一般1400円/高・大学生1100円/中学生以下無料
◆交通=東急大井町線〈各駅停車〉「上野毛駅」(かみのげ)下車徒歩5分

▼詳細は五島美術館ホームページにて
https://www.gotoh-museum.or.jp/
 
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