特別展 将軍家の襖絵 ―屏風絵でよみがえる室町の華― 会期:2022年11月3日(木・祝)~12月4日(日) 会場:根津美術館 展示室1・2
■概要
室町時代(1336~1573)の文化は、能や狂言・茶の湯・生け花など、今日も息づく芸能の多くがこの時代に生まれたことからもわかるように、現代日本文化の原点というべきものです。そして、室町文化の中心に位置するのが京都の室町幕府、足利将軍邸です。 将軍邸を構成する建築の中でとくに重要なのが、人々が集まって能・狂言を鑑賞し、連歌会や茶会を催した、会所と呼ばれる建物です。室町文化の象徴ともいえる会所の襖は、将軍家の御用絵師である周文(生没年不詳)をはじめとする、当代を代表する画家の絵によって飾られました。 残念ながら、これらの襖絵はすべて失われ、現在、目にすることはできません。しかし、残された文献から、会所の襖にどのような画題の絵が描かれていたかを知ることができます。また、襖絵と画面の規模と形式がごく近い屏風絵によって、それを復元的に想像することも可能です。 本展覧会は、足利将軍邸の会所襖絵における典型的な画題を選び、室町後期から江戸時代に制作された屏風絵を集め、一堂に展示することによって、〈将軍家の襖絵〉の世界をよみがえらせるものです。室町絵画の核ともいうべきそれら襖絵が、日本絵画史において果たした役割の大きさについて再考する機会にもなるでしょう。 国宝 鶉図 李安忠[伝] 中国・南宋時代 12~13世紀 根津美術館蔵 前期展示(11/3~11/20) 秋の野を歩む鶉。自然の一角を切り取ったかのような臨場感に富む。北宋末期から南宋初めに活躍した画院画家・李安忠の作と伝える。6代将軍義教の「雑華室印」が捺されている。 ■同時開催(展示室5・6) ◎彫漆 ―憧れの唐物― 漆を何層にも塗り重ねてから文様を彫り出す彫漆。唐物漆器として珍重され、日本で大切に伝えられてきた優品の数々をご紹介します。 牡丹堆朱合子 中国・明時代 永楽年間(1403~24) 根津美術館蔵 永楽帝の時代に官営工房でつくられた作品。この頃から彫漆器は朱漆のものが多くなり、製作時期とほぼ時を同じくして日本にもたらされた。 ◎茶人の正月 ―口切― 11月、茶の湯では茶壺の口の封を切り、この年の新茶をいただきます。茶人の正月ともいわれる口切茶事にふさわしい茶道具約20件の取り合わせ。 茶壷 銘 四国猿 福建系 中国・元時代 14世紀 根津美術館蔵 茶葉を保管するための茶壺は、16世紀以降、書院などに飾って賞玩された。本作は、唐物らしい整った姿と、月のような丸い色変わりが見どころ。 ■会期:2022年11月3日(木・祝)~12月4日(日) ■休館日: 毎週月曜日 ■開館時間: 午前10時~午後5時(入館はいずれも閉館30分前まで) ■入場料: オンライン日時指定予約・一般1500円/学生1200円 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料
▼▼詳細は、根津美術館ホームページへ▼▼ https://www.nezu-muse.or.jp